話は7日の土曜日までさかのぼります。
お昼の12時40分・・・なんだか疲れてウトウト・・・
そんなまどろみは、突然の娘の絶叫で引き裂かれます。
お母さん!!大変!!
おばあちゃん、階段から落ちた!!
えっ

・・・
たぶん、発した言葉はそれだけ。
急いで2階の廊下から階段下の玄関を見ると、おばあちゃんが倒れている。
驚きすぎて何も言えなくなっている私と息子に、娘が叫ぶ。
「お母さん、救急車呼んで

」
「○○ちゃん、おばあちゃん動かないように見てて

」
「私、お父さんに連絡する

」
私は急いで119番。
はい、火事ですか?救急ですか?
救急です。
住所とおばあちゃんの名前、年齢、どうしたのか、意識はあるのか、を聞かれたと思います。
電話を切り、保険証といつもの大学病院の診察券を用意していると、携帯の番号から電話がかかって来ました。
救急隊から、「今向かっています」と連絡。
もう一度名前や状態を聞かれたと思います。
「意識はあります」
私と娘が同乗することにし、息子には留守番を頼みました。
やがてピーポーピーポー

この間、5分ぐらいだったでしょうか。
外に出て、「こちらです」と合図。
救急隊の方は3人。
2人がおばあちゃんに話しかけ、意識があることを確認。
「お名前言えますか?」
「生年月日は?」
「今日は何日?」
「どこにいるかわかる?」
「どうなっちゃったかわかる?」
ちゃんと答えています。
その間に一人の方が、「患者さんのお名前と同乗者の方の名前を書いてください」と、書類とペンを渡してくれました。
手が震える。
「じゃあ、運びますよ」
担架を救急車へ。
「帰れるかもしれないから、杖と靴を持って」と言われました。
内心、「え、帰れるわけないじゃん」と戸惑いながらも用意して、娘と救急車に乗り込みます。
いつもの病院がいいねと言うことになり、連絡しますがあいにくベッドは空いておらず、診察を受けて入院になれば他を探すことになると。
それでも慣れたところがいいとおばあちゃんも意思表示をしたので、とにかくいつもの大学病院へ。
診察券番号も先に伝えておきます。
走りながらも、救急隊の方が状態を確認。
「ここ痛い?」
「ここは?」
「血圧計ろうね」
これが200もあったのです
フラッとして落ちたと。
階段上の娘と話しながら上がってきて、急に意識がなくなって落ちたらしいのです。
このように幸い、落ちた瞬間に娘がいたので、落ちてから救急車を呼び、病院に着くまでおそらく20分ぐらいのことだったと思います。
その日出勤だった夫からも救急車の中で電話を受け、急いで駆け付けると。
病院に着くと、「まずはご家族が先に下りてください」と言われました。
これが結構な高さです。
ここで自分がこけてる場合じゃないので、気を付けて下ります。
おばあちゃんは救急処置室へ。
私は受け付けで診察券と保険証を出して手続き。
おばあちゃん、がんばって
待合室で娘と二人。
そうだ、おじちゃんに連絡。
すでに夫から弟にも電話してたみたいで、こちらに向かうと。
おばあちゃんは、レントゲンやCTの検査。
頭も打っているし、全身が痛そうです。
何時間待ったのかな。その間に夫も弟一家も着いて、みんなで待機。
一通りの検査と処置が済んで、部屋に呼ばれますが、レントゲンの結果などは先生が来るまでもう少し待ってくださいと。
やがて整形外科の先生。
骨折はなく、脳の出血もない。
「打撲はひどいですが、帰れますよ」と。
え・・・帰って大丈夫なんでしょうか

頭打ってるのに、帰っていいの?

あまりにも心配過ぎて、怖すぎて、「一晩でも」と入院をお願いしましたが、なんたって本人が帰りたい気持が強く・・・
本当に帰れるのか・・・そのあとしばらく休んでもう一度先生にも確認し、本人にも聞いたところやっぱり「帰りたい」
結果、救急隊の方の言った通り、杖と靴が役に立つことになりました。
駐車場まで車いすで行き、弟のワゴン車でゆったりと寝た体勢で帰りました。
落ちて玄関で横たわっているのを見たときは正直ね、ダメかと思った

それが転落事故から7時間後の今、車から降りて自力で歩いて家に入って行くのは、信じられない光景でした。
「ま〜た生き残っちゃったわよ」
「よっぽど石頭なんだわね、私」
笑ってるけど、こっちが寿命3年は縮まったよ、おばあちゃん
この事故から、今日で8日。
おばあちゃんは洗濯をし、ちょっとした料理をし、お風呂に入り、大河ドラマを見て・・・打ったところがまだ痛い以外は、普通に生活できています。
落ちた玄関には、おじいちゃんが使っていたタップダンスのボードが置いてあって、片付けよう片付けようと思っていたそれが思いがけず衝撃を和らげてくれたのかもしれません。
きっとおじいちゃんが守ったのだろうと。
衝撃的な事件とその後の日々

けっこう今日も疲れていますが、それでも「あの時さあ」って、笑って話せることに感謝です。
階段は本当に危ないです。
結局、おばあちゃんは両手で手すりにつかまって上がってはいたものの、急に血圧が上がったせいで意識を失って転落したらしい。
うちもいろいろ、家のことを考え直さないといけないと思います。
皆さんも気を付けてくださいね。
ホントにね。
そんなわけで、事故翌日の母の日はすっ飛びそうになりましたが、寝ているベッドから見えるように、テレビの横における小さいお花を買ってきました。
前の記事に載せた私への子供たちからの母の日プレゼントは、そんなわけでもらう方もあげる方も疲れ切っていたので

翌日月曜のことなのです。